2017年06月

2017年06月29日

最高裁、刑の一部執行猶予1596人 9割超が薬物事件

昨年6月に導入された「刑の一部執行猶予」を適用した判決が、今年5月末までの1年間で1596人の被告に言い渡されたことが最高裁のまとめで分かった。うち9割超が覚醒剤や大麻などの薬物事件。再犯防止目的で導入された制度で、薬物事件への適用が多くなることが予想されていたが、識者からは「他の犯罪への積極的な適用が望まれる」との声も出ている。

一部執行猶予は、裁判所が判決の際に刑の一部の執行を1〜5年の範囲で猶予できる制度。例えば「懲役2年、うち6カ月について保護観察付き執行猶予2年」との判決が出た場合、1年6カ月服役した後、2年間保護観察を受けて罪を犯さなければ、6カ月分の服役はしなくてよい。

最高裁のまとめによると、昨年6月から今年5月末までに一部執行猶予が言い渡された被告の罪名別の主な内訳は、覚せい剤取締法違反1442人▽窃盗51人▽大麻取締法違反34人▽麻薬取締法違反7人(複数の罪を犯した場合は最も重い罪で集計)。薬物事件は計1490人で全体の93%だった。言い渡した裁判所の内訳は、地裁1578人▽高裁16人▽簡裁2人−−だった。

最高裁の統計によると、覚せい剤取締法違反で実刑判決を受ける被告はここ数年、年間約5800人。同法違反では実刑判決を受けたうちの約4分の1に一部執行猶予が適用されたことになる。

毎日新聞2017/6/29


security_taisaku at 08:31|この記事のURL裁判 

2017年06月12日

住居侵入男性に無罪 静岡、掛川簡裁判決「証拠なし」

民家の敷地内に立ち入ったとして住居侵入の罪に問われた浜松市の30代男性に対し、掛川簡裁が無罪判決を言い渡していたことが10日、男性の弁護人への取材で分かった。判決は5月26日。懲役1年を求刑した検察側は控訴せず、既に無罪が確定している。

判決理由で裁判官は「侵入を客観的に裏付ける証拠がない。犯罪の証明がない」と指摘した。

男性は2016年12月6日、窃盗目的で森町の民家敷地に高さ約1メートルのフェンスを乗り越えて侵入したとして逮捕、起訴された。フェンス付近を行き来する男性を不審に思った近隣住民が通報し、袋井署が既に立ち去っていた男性を特定した。

ただ、フェンスや敷地側の地面に男性の指紋、足跡がなく、通報者の証言も「被告人が確実にフェンスを越えていたかは分からない」と不確かで、男性は「現場近くにいたが敷地に入っていない」と否認していた。

担当した弁護士は静岡新聞社の取材に「捜査機関に思い込みがあった。起訴の判断は客観証拠をみてすべきだった」と話した。

2017/6/11


security_taisaku at 21:12|この記事のURL裁判 
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