2015年12月09日

ワタミ過労死訴訟、賠償金1億3365万円と再発防止案で和解

ワタミグループの正社員だった女性(当時26)が2008年に自殺し、遺族が原告となって、ワタミや当時代表取締役だった渡辺美樹参議院議員らを提訴した損害賠償請求訴訟が12月8日、東京地裁で和解した。ワタミ側は損害賠償金として1億3365万円を支払うほか、和解条項には過重労働再発防止策が盛り込まれた。

女性は2008年4月にワタミフードサービスに入社し、2カ月後の6月12日に自宅マンションで自殺した。遺族は、長時間労働を強いるなど安全配慮義務を怠ったとして、2013年に提訴した。被告であるワタミ、渡辺議員らは過重な労働が原因だったとして謝罪し、法的責任を認めた。損害賠償金として1億3365万円を支払う。

過重労働防止策では、実労働時間の正確な記録や36協定の上限時間を超えないこと、労働基準監督署から是正勧告があった場合には全従業員に周知すること、研修会やボランティア、課題作成など会社が実質的に指示するものについて労働時間として認めること――などが盛り込まれた。

さらに、2008年度から2012年度に入社した800人に対し研修会・ボランティア活動などに関する未払い賃金として一律2万4714円、2008年度から2015年度に入社した1000人に対し書籍や制服などの控除金返金として一律2万円5675円、総額約4500万円を支払う。

オルタナ 2015年12月9日

security_taisaku at 16:11│労働環境 | 裁判
最新記事
Archives
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: